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意味解析 (意味理解) について

意味解析 (意味理解) について

自然言語処理は大まかに以下のプロセスで行われます。

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自然言語処理の流れ

今回はこの中の意味解析を行いたいと思います。

単語分解については前回の記事を参照してください。

1. 意味解析・意味理解とは?

文字の通り、文章の意味を理解する処理です。
以下で、意味解析に関わる周辺語について書いていきます。

2. 語義曖昧性解消(WSD:Word Sense Disambijunation)

自然言語処理においては、文中にある単語に対して、その単語がどの語義を表現しているのかを判断する過程のことです。
例としては、
「その服良いですね。」→評価の良い
「その服着て良いよ。」→許可の良い

3. 述語項構造解析

文書内の述語と述語以外の項との関係を表現する構造のことです。

例えば、
[太郎]は[手紙]を書く。
上の例では、「書く」が述語であり、「太郎」「手紙」が述語の項になります。
また、上の例では、主語を表すガ格や目的語を表すヲ格が採用されています。

また、これは構文解析の技術と類似しています。

違いとしては、
構文解析単語同士の文法上の主従関係を解析するのに対して、
述語項構造解析では、述語を中心として各単語の文章中での意味的な役割を表します。

したがって、
構文解析では、文章の中で省略されていく主語や目的語を見失ってしまう傾向があるのに対して、
述語項構造解析では、複雑な文や文章の構造を持っていたとしても、主語や目的語を見失わずに済みます。

代表的な解析方法は、PDFダウンロードになりますが、述語項構造解析というものがあります。

また、述語項構造解析ツールは、
SynCha:日本語の述語項構造解析器
ChaPAS:Javaベースの日本語述語項構造解析器
YuCha:日本語述語項構造解析器「夕茶」
というものがあります。

4. テキスト含意認識

ある単語が特定の意味を含むかどうかを表現の違いに左右されずに判定する技術です。
テキスト含意認識器としては、NECのテキスト含意認識システムというものがあります。

5. 格文法

動詞とその深層格(動作主・場所・道具などの意味役割)との組み合わせからなるものとして文を分析する理論です。

6. 意味解析ツール

意味解析ツールとは、シソーラスを用いて、文章中に出現する述語とその格要素を分類するツールです。
シソーラスとは、言葉を意味上の関係に基づき整理した辞書・辞典・語彙集のことです。

以下は、具体的なツールです。
①意味解析システムSAGE
日本語文の語の意味と、語と語の深層関係を、正確に計算する意味解析システムです。

②日本語 意味解析ツール AYA
文章を入力すると形態素解析(JUMAN)、係り受け解析(KNP)、意味解析を高速かつ高精度で行います。

以上、意味解析でした。

p.s. 本日、データサイエンティストのオンラインセミナーに参加しました。
講談者が数名いたのですが、一人だけ経験と知識がずば抜けていて開いた口が塞がりませんでした。( ゚д゚)ポカーン
自分の知識量はまだまだのレベルなんだなと改めて気づかされました! 個人的に、「データサイエンス」とか「AI」とかの具体的な定義が不明なバズワードは苦手です。


【参考文献】
自然言語処理(NLP)ってなんだろう?